AIが自ら調べ直す新エンジン「Agentic RAG」を提供開始。回答精度が大きく上昇!

「FAQに書いてあるのに答えられない」がAIチャットボット最大の壁
AIチャットボットの多くは、ヘルプページやFAQなどの資料を登録し、質問に近い内容を検索してAIが回答を生成する「RAG(検索拡張生成)」という仕組みで動いています。
しかし従来のRAGでは、ユーザーの質問文を1回検索にかけ、見つかった資料の断片だけをもとに回答を書きます。そのためユーザーの言葉と資料の言葉が食い違うと、正しい答えが資料に書いてあっても見つけられませんでした。
たとえば「途中でやめたらお金は戻りますか」という質問に対し、「日割り返金」と書かれた規約がうまく当たらない、といったケースです。一度検索を外すと引き直す手段がなく、足りない情報のまま回答するか、「答えられません」と返すかの二択になっていました。
これが、「資料を整備したのに問い合わせが減らない…」「AIチャットボットの精度に満足できない」という現場の声の大きな原因になっています。

「Agentic RAG」とは:AIが納得するまで自分で調べ直す機能
Agentic RAGは、AIが自律的に調べ方を判断する仕組みです。従来のように、AIが1回検索して、見つかったもので答えるのではなく、AIが手元の資料を見て「これで答えられるか」を判断し、足りなければ自分で調べ直します。
観点 | 従来のRAG | Agentic RAG |
検索の回数 | 1回で固定 | AIの判断で最大3回まで引き直せる |
検索の言葉 | ユーザーの質問文そのまま | AIが言い換え・分解して組み立てる |
探す範囲 | 登録した資料の全体 | ファイルを名指しして絞り込める |
資料の読み方 | ヒットした断片だけ | 同じ資料の前後を読み進められる |
答えられない時 | 回答文の内容から判定 | AIが明示的に有人対応へ引き渡す |

新しくなったaskrunでできること
1. AIが自分で調べ直すことで、回答精度が向上
1回目の検索で答えが見つからない場合、AIは別の言葉で検索し直します。資料が途中で切れていれば、その前後も読み進めて条件を最後まで確認し、それでも答えられないと判断した場合だけ、有人対応へ引き渡します。
根拠が揃ってから回答するため、「登録した資料にあるのに答えられない」というケースが大幅に減りました。自社のフォーム作成ツール「formrun」に寄せられた2026年7~8月の実際の問い合わせからランダムに抽出した100件を対象に、従来のRAGとAgentic RAGを比較検証しました。本検証では、登録資料から回答の根拠を取得し、回答を生成できた割合を「回答成功率」と定義しています。その結果、回答成功率は80%から90%へ向上し、回答不能となった割合は20%から10%へ半減しました。これは、回答できないケースが「5回に1回」から「10回に1回」へ半減したことを意味します。

2. 顧客情報などの、固有の質問にも答えられる(簡易DB連携が可能に)
「私のプランはいつまで?」「先日の注文はどうなった?」──このような質問は、その人の契約や履歴を知らなければ答えられません。従来のAIチャットボットは、FAQのように全員に共通する情報には答えられますが、固有の情報に答えるのは苦手でした。
askrunでは顧客情報や契約情報を登録しておくと、AIがファイルを指定し、該当するデータだけを取り出して回答に使えます。たとえば「山田様の契約更新日はいつか」といった、特定のデータを知らないと答えられない問い合わせにも、データベースをつなぐための開発や特別な設定なしで対応できます。
※本機能は、社内のCS担当者が返信文を作成する場面での利用を想定しています。顧客データを登録したチャットボットは、閲覧権限のある担当者のみが利用できる状態でのご利用を推奨します。

3. 現場のルールを、AIがそのまま守れる
「返品の相談が来たら、まず開封済みか確認する」「解約の申し出には、まずこの案内をする」──このように問い合わせ対応には、現場で決めたルールがたくさんあります。これまでは、こうしたルールをすべてAIへの指示文に書き込む必要があり、ルールが増えるほど管理が大変になるうえ、指示が長くなりすぎてAIの回答精度が落ちるという問題がありました。
askrunでは、ルールをテキストファイルに書いて登録しておけば、AIは必要な場面でそのファイルだけを開いて手順どおりに対応します。専用の書き方を覚える必要はなく、現場がすでに使っているマニュアルをそのまま登録するだけで設定できます。ルールを何本増やしても、回答精度は変わりません。

4. AIが勝手に動きすぎないための安全設計がある
AIが自律的に判断する分、意図しない挙動を防ぐ仕組みをあらかじめ用意しています。
探し直しは最大3回まで。それ以上は調べ続けない
「資料にありません」と答えるのは、きちんと調べた後だけ。すぐに諦めることはできない
できるのは文章での回答のみ。予約・注文・申請などの手続きを勝手に実行したり、提案したりしない
AIがどんな言葉で探し、どの資料を読んで答えにたどり着いたかを、管理画面の「回答生成プロセス」で1問ずつ確認できる
まとめ
Agentic RAGの登場によって、askrunの回答精度は大きく向上しました。進化したaskrunで、今までよりもさらに問い合わせ対応の効率化が出来るようになりましたので、是非試してみてください。
次回のアップデートもお楽しみに!今後ともaskrunをよろしくお願いいたします。



